漂えど、沈まず。

文化系税理士 佐藤 龍 のブログです

2019-01-01から1年間の記事一覧

30年前の四方田先生によるヌーヴェル・ヴァーグ評、最後。-Aftermath(4)

四方田犬彦先生による、30年前のヌーヴェル・ヴァーグについてのエッセイ、最後です。 総括的な内容です。 ユリイカ1989年12月臨時増刊 総特集ヌーヴェル・ヴァーグ30年 出版社/メーカー: 青土社 メディア: ムック 購入: 1人 クリック: 6回 この商品を含むブ…

ヌーヴェル・ヴァーグとヌーヴォー・ロマン(アンチ・ロマン)、そのねじれの位置-Aftermath (3)

前回、前々回に続く、四方田先生によるヌーヴェル・ヴァーグ評。 今回はヌーヴェル・ヴァーグの文化史的な位置づけ、特にフランス文学界との関係について、です。 Ⅲ ヌーヴェル・ヴァーグ、ニュー・ウェイヴ、シネマ・ノーヴア、ノイエ・ヴェーレ、新浪潮………

アラン・ドロンと「ヌーヴェル・ヴァーグ」という違和感 Aftermath(2)

四方田犬彦先生による、Nouvelle Vague(というより、ほとんどゴダール)の余波(Aftermath)について、前回の続き。 出典は30年前のこのムックです。 ユリイカ1989年12月臨時増刊 総特集ヌーヴェル・ヴァーグ30年 出版社/メーカー: 青土社 メディア: ムック…

「ヌーヴェル・ヴァーグ」の余波 -Aftermath(四方田犬彦先生)(1)

また発掘しました。 30年前の『ユリイカ』増刊号、特集「ヌーヴェル・ヴァーグ30年」。 若き四方田犬彦先生のヌーヴェル・ヴァーグ(というかゴダール)への想いを感じよ。

(四方田犬彦先生)若き映画批評家への手紙。

こんにちは。 文化系税理士の佐藤です。 なんとか確定申告をなんとか乗り越え、年度末ということで部屋の掃除をしていたら、こんな本が出てきました。なつかしい。 映画の見方が変わる本 (別冊 宝島) 作者: 宝島社 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 1989/10 …

8,900万円脱税容疑、イベント会社を告発 東京国税局 (朝日新聞 2019年 2/28)

極めて古典的な脱税の手法です。 8,900万円脱税容疑、イベント会社を告発 東京国税局 架空の経費を計上して約8,900万円を脱税したとして、イベント会社「N」(東京都千代田区)とA代表(34)が、東京国税局から法人税法違反と消費税法違反の疑いで東京地検に…

配偶者控除の適用、間違ってませんよね?

平成30年分の確定申告も大詰め。 というか最終日になりました。 いよいよ今回は、H30年分の確定申告で留意すべき点の3つ目。 配偶者控除/配偶者特別控除の話です。 ……留意すべきてって、そんな大事な話ならもっと早くしてよ。いまさら知っても間に合わない…

災害で被害を受けた方の確定申告について。「その3」

シリーズ被災した場合の確定申告、3回目。今回で最終回です。 今回は損失の金額の計算の仕方について説明します。 前々回の控除の区分や、前回の雑損控除も、この損失の金額が明らかになって初めて計算できるようになります。ただ、これも一筋縄ではいかず…

災害で被害を受けた方の確定申告について。「その2」

前回に引き続き、災害により被害を受けた方の確定申告について、 今回は雑損控除についてです。 前回は、ひとくちに「災害により被害を受けたとき」とっても、その被害を受けた資産によって、所得税法上の取扱が異なる、ということを説明しました。今回は、…

災害で被害を受けた方の確定申告について。「その1」

今年の確定申告で、わたしが特に留意すべき点は3つあると考えています。今日はその2つ目、災害による影響です。雑損控除、だけではありませんし、その雑損控除もかなり奥が深いんですよ。

2/23の税理士記念日に合わせて、キッザニア甲子園に「税理士事務所」開設。

! とうとうキッザニアにも税理士事務所が! キッザニア甲子園に「税理士事務所」 22~28日 新パビリオン 子ども向けの職業体験型テーマパーク「キッザニア甲子園」(兵庫県西宮市)に22日、「税理士事務所」のパビリオンがオープンする。28日までの期間限定…

「蛙男商会」のDLEが粉飾決算!?

驚いたと同時に、ガッカリした記事です…。 「鷹の爪」制作会社 粉飾か (朝日新聞 2019年 2/14) コメディーアニメ「秘密結社 鷹の爪」などを手がけるコンテンツ制作会社「ディー・エル・イー」(東京都千代田区)が決算を粉飾したとして、証券取引等監視委…

国税庁の規制強化を受け、「節税保険」販売、生保4社停止へ

大変なことになりました。決して大げさではなく、税理士・会計事務所業界にとっては現時点で今年1番大きなニュース。もしかたら、インパクトの大きさは今年の終わりまでこのままかもしれません。 生保各社、「節税保険」の販売停止 課税見直し方針受け (20…

高専についての備忘。

以前、日本で唯一の「経営情報学科」がある高専として、山口県宇部高専についての記事を書きました。 それに関係して、高専に関する気になったブログ記事があったので、ここでまとめておきます。 高専は、まだまだ制度が不十分であるところがあったり、その…

元気ですか。音楽の話を、少しだけ。

やあ。突然の連絡でごめん。 ずいぶんご無沙汰しててるけど、ふと、君のことを思い出しちゃって。 この前のバカリズムの『大人のたしなミズム』、テーマが『ジャズ』で、たしなみストが菊地成孔だったんだよね。Blue Note Tokyoに行け! とか、拍手(のタイ…

「父と子」の物語。ージョジョ第4部「ダイヤモンドは砕けない」

――4部は「父と子」の物語だと思うんだ。 いや、ごめんごめん。いきなりこんなこと言っても、何のこと? って感じかもしれないね。ジョジョの話だよ。 まったく、第1部からリアルタイムで読んできた人間からすると、ここ数年の荒木飛呂彦人気には、「やっと…

上場株式の「配当所得」と「譲渡所得」、所得税と住民税で異なる課税方式を選択するメリット・デメリット。

確定申告シーズン到来。税理士法人水無瀬野も戦場となり、毎日お客様とお会いしては書類の山がうず高く積み重なり、夜遅くまでPCと向き合っております。 今回は実務の話で、株の「配当所得」と「譲渡所得」の話です。平成29年度の改正により、所得税と住民税…

税務職員の淫行条例違反容疑に思うこと。

ここのところ、税務職員の汚職や犯罪の報道が続きます。 「この時期に、なぜ?」と、ふと思ってしまいました。 税務署の事務官の男が、当時15歳の女子高生とみだらな行為をした疑いで、警視庁に逮捕された。 東京国税局芝税務署の事務官・T. S.容疑者(24)は…

「仕組みの議論 世界全体で」(諸富徹、1/25朝日新聞「耕論」(3)

少し間が空きました。 税の公平性についての朝日新聞の1/25「耕論」記事の最後です。 3人めは、わたしが敬愛する諸富徹先生。 仕組みの議論、世界全体で 諸富徹さん(京都大学大学院教授) 先進国の税制は1980年代以降、経済のグローバル化で国同士の成長競…

ゴルフ場利用税が廃止!?  …ただし、実現の見通しは暗く。

こんな「運動」もあるのですね。典型的なロビー活動というやつです。 一応、毎年の税制改正の視野にも入っているようです。 ゴルフ場利用税、超党派で廃止案 地方は反発か(朝日新聞 2019年 1/30) 超党派の議員連盟が30日、ゴルフ場の利用者が負担する「ゴ…

EUとのEPA発効の影響。ワイン、チーズが値下げ?

日欧EPA発効。消費者には一定の恩恵をもたらす一方、輸入品の攻勢を受ける国内生産者は喜べません。そのことは重々理解しつつも……少しうかれてます。 イオンはフランス産ワインなどの「先取りセール」を実施し、2/1 には300商品を平均で約1割値下げしたとか…

財布盗んだ疑い 元税務署員逮捕 和歌山 税務調査先で

これはなんとも言葉がない記事です…。 税務職員の汚職・不正行為は本当に定期的に報道で目にします。これ、単純にこの業界での数が多いのか、報道側で意図的に選んでいるのか。わたしは……後者ではないかと邪推しているのですが。 調査先の民家で財布盗む=容…

ホースメーカー「ニチリン」 申告漏れ4億円 大阪国税局指摘(朝日新聞 1/28)

「申告漏れ?」→「所得隠し」記事。今回はわりと詳細が明らかな内容です。 …… 東証2部上場の自動車用ホースメーカー「ニチリン」(本社・神戸市)が大阪国税局の税務調査を受け、2017年までの5年間で約4億1千万円の申告漏れを指摘されたことがわかっ…

富裕層にとっての消費税とは。(1/25朝日新聞「耕論」(2))

先日の消費税増税に関する朝日新聞記事について、考えたことの続き。富裕層という立場からのポジショントーク全開です。 ■富裕層への増税、経済滞る(冨田和成さん 金融情報メディア運営・ZUU社長)

所有者不明土地 増加防止へ提言 有識者会が新組織案(朝日新聞 1/28)

これは本当に大きな問題です。 所有者不明土地の受け皿づくりを 有識者の研究会が提言朝日新聞 2019年1月28日 所有者が分からない土地が増えるのを防ぐため、有識者でつくる民間の研究会が、土地の譲渡の受け皿となる組織を新設する提言をまとめた。国土交通…

2018年投信運用状況の総括。(「知りたい投信」1/28 石原敬子先生)

2018年の投信市場は「投資は長期で」を地でいくような年。18年の主要分類の平均騰落率が17年のほぼ裏返しで、主要分類のうち運用成績がプラスだったのは国内の不動産投信(REIT)に投資する投資信託と、円建ての債券投信だけだったようです。

1/25朝日新聞「耕論」について思うこと。(1)

朝日新聞の「耕論」はいつも興味深く読んでます。教科書通りに異論を併置して、多様性・議論の深まりを狙っているところも好感がもてます。もっとも、森達也先生も繰り返し指摘されているように、併置すればいいといいうものでもないし、その紙面上の構成、…

吉田秀和、丸谷才一、小林秀雄、柳瀬尚紀。

昨日の吉田秀和先生つながりで、今日は過去の丸谷才一氏による「吉田秀和全集」の記事を。 吉田秀和 ✕ 小林秀雄 のからみがおもしろいです。 『吉田秀和全集』完結 (朝日新聞2004年 11/9「袖のボタン」 丸谷才一) この十一月で「吉田秀和全集」全二十四巻…

「今は体の半分なくなったよう」 妻を失った吉田秀和の悲しみ

大事な人を失った悲しみ。 その悲しみの大きさは、その人にしかわかりません。 音楽評論家の吉田秀和さん(90)が、このところ休筆を続けている。本紙「音楽展望」のファンには気になるところだが、昨年11月に妻のバルバラさんを亡くし、「心の空白」を埋め…

ふるさと納税、賛成/反対 首長による両論併記記事。

ふるさと納税、昨日の続きです。 朝日新聞 10月3日「耕論」より。 実は昨日の森信先生のコメントは3つ目のコメントでして、その前にザックリとふるさと納税に賛成/反対の地方自治体の首長の主張(シャレではありません)が掲載されていました。 www.asahi.c…