これは本当に大きな問題です。
所有者不明土地の受け皿づくりを 有識者の研究会が提言
朝日新聞 2019年1月28日
所有者が分からない土地が増えるのを防ぐため、有識者でつくる民間の研究会が、土地の譲渡の受け皿となる組織を新設する提言をまとめた。国土交通省など関係省庁に対し、新年度にも地域を指定してモデル事業を行うよう求める。提言を出したのは所有者不明土地問題研究会(座長=増田寛也元総務相)。所有者が判明していても売却や自治体への寄付ができない土地について、新組織が手数料を受け取った上で、管理する仕組みを提唱。将来的に利活用されるまで短期的に保有したり、購入希望者と調整したりといった役割も担えるようにするという。
研究会は、2016年時点で国内の所有者不明土地が九州より広い約410万ヘクタールあると推計。40年には北海道の面積に迫る720万ヘクタールになると試算している。
所有者不明土地問題研究会。
そんな研究会があるのですね。一般財団法人の国土計画協会の中の組織のようです。
この研究会、2017年の1月に発足して、先日、その研究成果を発表したようです。
おもしろいのは、この発表(提言)では、研究会が「II」となっているところ。
若干メンバーが代わったようなので、それを反映してのことなのでしょうか。
この話、どこかで聞いたな、と思っていたら、やはり半年ほど前にこの会の記事がありました。
所有者わからない土地、民間で活用へ 特別措置法が成立
朝日新聞 2018年6月11日所有者がわからなくなっている土地を公共の目的に限って使えるようにする特別措置法が参院本会議で可決、成立した。最大で10年、民間業者やNPOなどに土地の「利用権」を与えるのが柱だ。来年6月までに全面施行する。
都道府県知事が公益性などを確認した上で利用権を与えると定めた。対象は建物が立っていない所有者不明土地で、公園や直売所などに使うことを想定している。利用権を与えた後に土地の所有者があらわれて明け渡しを求めた場合は、権利が切れた段階で元の状態に戻して返さなければならない。利用権は延長もできる。国土交通省は今後、事業者向けのガイドラインを定める。
また、公共事業の際の土地収用の手続きを簡略化する内容も盛り込んだ。これまでは収用するまで31カ月程度かかっていたが、特措法によって21カ月で済むようになる見通しだ。
有識者による所有者不明土地問題研究会は、2016年時点で全国の所有者不明土地が九州の面積よりも広い約410万ヘクタールに及ぶと推計している。
この所有者不明土地の推計の計算根拠を確かめてみたいと思います。
この仕事をしていると、この問題の大きさ、根深さを実感します。手遅れになる前に有効な運用ができるよう、その進展をウォッチしていきたいと思います。
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