漂えど、沈まず。

文化系税理士 佐藤 龍 のブログです

『神道はなぜ教えがないのか』、島田裕巳、ベスト新書(KKベストセラーズ)、2013年

前から気になっていた本。

岡田斗司夫氏の YouTube で取り上げられていて、強く後押しされたので読みました。

 

 

これ、おもしろかったですよ。

個人的には、日本の神道ギリシア神話は共通するところが多くあると思ってて、そのあたりも書かれていたのもうれしい。そう考えると、イザヤ・ベンダサンとかは少し的外れなんだよなあ。

 

そういえば、こういう大きな文化論をするときに、最近感心したのが山田五郎氏のヨーロッパ文化観。

ヨーロッパは、ゴリゴリの禁欲主義のユダヤキリスト教(1神教)の世界と、現世の快楽を肯定する享楽的なギリシア=ローマの世界、神秘的・秘教的なゲルマン=北欧の世界の、3つの世界の総合である。

ヨーロッパ史とは、この3つの文化のパワーバランスの歴史であり、それは政治経済、文化のすべてに共通するものである、と。

 

これには深く納得しました。

というか、これって常識レベルですか?

48にして、やっとこの切り口を知ったわたしは、どれほど人生を無駄にしてきたことか…。

 

翻って日本のことを考えると、日本は明らかにギリシア=ローマと北欧の要素が強いね。北欧的な神秘主義をベースに、現世享楽的な要素が強い、という感じでしょうか。禁欲的なリゴリズムは合わない気がするなあ。

 

でも、だからこそコルトレーン的な音楽が異質なもの、憧れとして受けたのかも。

いや、日本人の真面目さって、この2つの土台の上にあるような気がするなあ。

リゴリズムというよりも、職人気質に源を発する器用さなのでは。

 

というように、こういう大きな話の本はたまに読むと刺激を受けていいです。

 

いや、おもしろい本でした。

こういう考え方、早いうちに子どもにおしえたいです。