1年に何回か、ずっと陽水ばかり聴きたくなる時期があります。
最近は『氷の世界』と「なぜか上海」「女神」ばかり聴いてました。
日本文学研究者のロバート・キャンベルは、陽水の名曲「傘がない」を「I’ve Got No Umbrella」と英訳しようとした時、彼にこう言われた。
「『人間として生まれるとこうなの?』という、そういう大きな感じのほうが感情移入しやすいですよね」とも。
私ごとよりも少し地平を拡(ひろ)げ、割り切れない思いやその余白を歌うほうが心に深く沁みゆくからか。
キャンベル著『井上陽水英訳詩集』から。
(2020・1・15 朝日新聞朝刊 折々のことば 鷲田 清一)
わたしが大学受験する少し前くらいに、「センター試験に陽水が出た!」というので話題になりました。出典は竹田青嗣さんの『陽水の快楽』でした。
いまはこのロバート・キャンベルさんの英訳詞集なのでしょうか。
陽水が好きなら、どのアルバムが好きかって?
いや、そんなの選べませんよ。あれだけ膨大な作品のある音楽家です。どの時代もいいとこありますし、全部好きですよ、本当のところ。
でも、まあ、どうしても、というのなら、『UNDER THE SUN』と『Blue Selection』かな。
理由は単純です。
「鍵の数」が入ってるからです。