漂えど、沈まず。

文化系税理士 佐藤 龍 のブログです

岡田斗司夫ショック。 ー読書メモ 2023年 1/4半期(4)

遅ればせながら、ラジオ文化にはまっています。

きっかけはサンドウィッチマンの「東北魂」。

深夜に一人で孤独に仕事をしながら、大好きなサンドウィッチマンに救ってもらいました。それからそのまま「ザ・ラジオショーサタデー」を聴き続け、江頭2:50の「エガちゃんねる」。

こうしてみると、40歳男性が支持するのど真ん中ですね。

うれしいような、かなしいような。

 

トーク番組、いいですね。

中学生くらいからずっと、わたしは勉強や作業中には音楽ばかり聴いてきたので、パーソナリティのトークを聴くのは新鮮です。

ああ、こういうのがラジオ文化なのだな、と47にして新たな体験を楽しんでいます。

 

そして、いま遡って聴いているのが岡田斗司夫ゼミ。

たぶん多くの人と同じく、ジブリアニメの解説動画をみてからハマりました。

先日、アーカイブ会員になって、過去の動画を漁っています。

この一連の動画、毎日とても勉強になっていて、この動画を見て考えたこととか、書きたいことがたくさんあるのですが、今日はそれに触発されて読んだ本を。

 

これまた遅ればせながら、岡田さんの過去のベストセラーを2冊読みました。

 

 

内容自体は、ゼミ動画で角度を変えて繰り返し語られていることなので、新しい視点が得られた! というような衝撃はありませんでしたが、本の形式でパッケージとして読めたのはよかった。

そして、ふと思い出したこと。

なぜ、わたしは岡田さんの著作を読んでこなかったのか。

それは、この本にあまり感心しなかったからなんです。

 

 

たしか、文学部の研究者から目指す道を変更したときに読みました。

それは、わたしが山形浩生さんのファンだったから。

ここで、おそらく岡田さんはFREEexを起ち上げた時期かそのあたりで、地域通貨とか評価経済の話をしたかったのか、その思いが強すぎて、一般的な簿記・会計の常識を無視していたようにおぼえています。

「借金をして投資をするなんて、まともな人の考えじゃないですよ!」

・・・でも、起業家、特に製造業の機械設備はそうせざるを得ないところもあって、借金をして設備投資しないと機会損失に陥ってしまうこともあるわけです。

山形さんはシャープな姿勢を崩さないまま対談を続けられてましたが、この対談で、わたしは岡田さんから関心が離れてしまったのです。

 

でも、本棚を調べたらこの本はあったし、ずっと心の片隅で意識はしていたのでしょうね。

 

近所の図書館でこれも読みました。

 

この『遺言』は、知的な面で実におもしろかったです。

 

こうして書きながら思い出したのですが、そういえばわたしが小学校の頃に購読していた「ファミコン通信」の「映画レビュー」で、『オネアミスの翼』を絶賛していたのを思い出しました。いや、『BRUTUS』だったかな。ちょうど「なにしろ、映画好きなもので」の特集が始まった頃だったような。

 

しかし、なんといっても、いまはこのジブリ本でしょうね。

これ、売れちゃうんだろうな。

ゼミの内容がそのまま書いてあるなら、おもしろすぎるもん。

 

 

ただ、ひとつだけ言わせてください。

岡田先生の該博な知識に基づいた、もろもろの解釈は視点がおもしろく、とても勉強になるのですが、わたしの専門分野、または多少なりとも詳しいと自負する分野に関しては、詰めの甘さを感じることがあります。

 

たとえば、会計・税務に関しては用語の使い方があいまいだし、哲学に関しては、専門用語・固有名詞の使いこなし方は19世紀までで止まってしまっている(ただ、思想展開・議論の内容自体は21世紀の同時代的ではあると思いますが)。

そして音楽に関しては、単純にセンスがないなあ、と。

『バードマン』でなく、『セッション』を評価してた時点でわたしはガッカリしました。もう、なんというか、圧倒的にすごいじゃないですか、アントニオ・サンチェス。

BLUE GIANT』もなんばの轟音劇場で娘と観てきました。いいアニメでしたけど、「問答無用でとにかく観に行け!」というほどでしょうか。

 

わたしがあまり詳しくない分野についての岡田先生の話は、本当にとてもおもしろく勉強になります。が、それは専門家から見たら、どれくらいの妥当性があるのだろうか、と考えるときがあります。

ディスるわけでは全然ないのですが。

 

あ、『メッセージ』の解説はとても勉強になりました。岡田斗司夫ゼミを観てなかったら、多分一生観なかった映画です。 長く考え続けることのできる映画ですね。

あと、ガンダム完全講義も素晴らしい。これを全部観るまではアーカイブ会員やめられません。