備忘として。
嫉妬するわたしは四度苦しむ。(ロラン・バルト)」
嫉妬している人は、① 自分が排除されたことに苦しみ、② 自分が嫉妬という攻撃的な感情に囚われていることに苦しみ、③ その感情が愛する人を傷つけることに苦しみ、④ そして自分がそういう凡庸な感情に負ける「並みの人間」であることに苦しむ。いずれの局面でも自分を外せない。人であるとは難儀なことだ。フランスの批評家の『恋愛のディスクール・断章』(三好郁朗訳)から。
(2021. 7/28)
「何かを書こうとしても、内から出てくるのは『自分』だけで、嫌気が差して筆を置いた」という、四方田先生が自身の若い頃についてどこかで書いていたことを思い出しました。
嫉妬は醜い感情ですが、何かの原動力になるのも事実。
素晴らしく美しい作品が醜い動機から生まれることも。
そのとき、四度苦しんだことは笑い飛ばせるようになっていることでしょう。