漂えど、沈まず。

文化系税理士 佐藤 龍 のブログです

『六人の噓つきな大学生』 …これって、アレへのオマージュですよね?

家族に勧められたこの本ですが、いや、おもしろかったです。

寝食忘れて(といっても数時間ですが)一気に読んでしまいました。

 

 

映画化するみたいですし、特にわたしがこの本について言葉を重ねる必要はないと思います。こんなにガチガチな就活は体験してないので、わたしは一種の体験ルポ・フィクションのようなものとして読みました。

でも、人によってはページをめくるのが辛くなるくらい、リアリティが感じられるのかもしれません。

面接をする立場から言えば、水無瀬野のような小さい事務所なので、半日でいいからインターンをしてもらいたいな、と思います。実際に机を並べて、コピー取りの雑務をお願いしたり、書類整理をしてもらったり、一緒にゴハンを食べてみるだけで、その人のことがなんとなくわかるものです。

それは、学歴や書類には全然あらわれない、まったく別のその人の資質です。いや、それを知ろうと思うにはたった半日のインターンではとても十分とはいえず、1週間くらい一緒に仕事をしてみたいし、なんなら、こそっとその人のオン/オフの違いを知るために駅からの言動をチェックする人を配置して………なんて、よからぬことを妄想してしまうくらい、よくできた話でした。エンタメとして言うこと無し。

 

でも、これってこれの本歌取りというか、オマージュですよね?

 

またはこれとか。

 

それぞれの登場人物のプロフィールを作成して、時系列に沿って、いまこの人は何%本当のことを言っているか、という資料を作った云々というのを読んで、これって三谷幸喜が『12人の優しい日本人』を書いてるときにやったのと一緒じゃん! と思いました。

 

こういう、作りこまれた、息が詰まりそうなくらい密度の濃い密室劇、好きだなあ。

ふと、『スモーク』観たくなりました。

そんな本です。