年末年始、録りためたものをひたすら観ています。
その存在を去年の夏に耳にしてから、ずっと観たかったこのドキュメンタリー、やっとじっくり観ることができました。前編・後編、一気に観ちゃいました。
フジテレビのドキュメンタリー枠、『ザ・ノンフィクション』。
「ロックンロール！」の内田裕也氏を崔洋一監督が１年間密着して撮り上げたドキュメンタリー。絶対おもしろい作品に決まってるじゃないですか。
内田裕也氏、前から面白いおじいちゃんだなあ、とは思ってましたが、単にネタとして楽しむだけではなくて、その家族のあり方など、興味深く思っていました。
妻である樹木希林さんの逝去については、このブログでも書きました。
内容は、期待を裏切りませんでした。
崔監督も、内田裕也氏についてのこの120分のフィルムで何かを訴えようとしているわけではないのでしょう。ただ、「内田裕也」という存在を提示するだけ。それだけで十分。「祐也さんはさ、表現じゃなくて存在なんだよね」という作中の関係者の言葉とおりの編集方針です。
これにならって、わたしも気に入ったところを引くにとどめておきます。だって、それだけで十分なんですよ、祐也さんの言葉がカッコよすぎて。
まずは、一番好きな、内田裕也「らしい」エピソード。
（祇園っていえば）きれいな、もともと舞妓さんやってた方が落籍（ひか）れて、旦那さんと狭い串カツ屋やってたの。
（そこでゴハン食べてたら、そこの客が）
『ロックなんてお前何とか』なんて言いやがったから、
『どこのモンだ？』 『俺たちは解放同盟の青年部だ』
『面白いから行こうじゃねぇか 一杯飲みに』
（女将が）『内田さん やめて下さい』って言ったけど…
結局合流しちゃって 朝までだよ。
家族の話も素晴らしいんです。
樹木家に朝の3時か4時に毎日行って、『ファック ユー 俺はどうなるんだ』って、
外で叫んでたら、子供達がまだ小ちゃいから怯えたらしいんだ。
……まさか（樹木希林が）鉄パイプまで用意してるとは思わないよね。
それと、本木はすごいよ 1回俺にかかって来やがったもんね。
そしたら本木が『僕たちが何か悪いことしたんですか』って言うもんだから、
『何だとコノヤロー』って殴りかかったら、
フローリングの床でスッテーンって転んじゃったんだよね。
もう、マンガだよ。
酒、ドラッグについて。
露悪的でもなく、淡々とその効能を語る姿に、わたしはバロウズを連想しました。
ハルシオンと酒は俺に大きな力を与えてくれたね。
怖いもんがなくなるのよ。
こう…脳が……緩んじゃって…
…それで…それでいて、すごく…鋭敏な神経をもってる。
また、「あのときは頭おかしかったね。でも、あの選挙の結果は大きな勇気を与えてくれてね」
と裕也さん自身が評する、1991年の都知事選についても語られます。
結果は、当選こそしなかったものの、54,654票と大健闘の5位。
それにしても、立候補時のこの「政策及び公約」すごいなあ。
欠点
1. 家庭生活に向かず別居中ガールフレンドとの交際を始め妻子やGFの御両親に多大な
MEIWAKUをかける！
2. 自分の意見が通らない時にカットなりやすい！
3. 権力、上からの強制にはすぐに反抗してしまう！
4. 理想主義に走りやすく現実とのギャップにジレンマを感じおちこむ事がある！
5. 弱者の味方であると確信していながらアーバンシティライフの誘惑に負けて
ZEITAKUをしてしまう！
6. 経済感覚が少しおかしくKANEが入るとすぐに使ってしまう！
7. 土地、住宅、CARと一切ナシCARDも入金がおくれ現在使用できず自分の将来は
インターナショナルアーティストになり自己中心ながら世界平和に少しでもKOKENできると 盲信している事！
8. ROCKでKANEをもうけ過ぎるのは良くないとKASUKAなプレッシャーを感じ自分のまわりのROCKミュージシャンやプロデューサー・マネージメントに
多大なめいわくをかけている！
9. アルコールをとりすぎると今までのフラストレーションがフラッシュバックし荒れる事がある！
10. B GATAのSASORIZA生れ高校中退NAGASHIMA SHIGEO氏の様に自分の意見を表現する言語が独創的すぎる事がある！ 漢字に弱い！ 数字に弱い！
女性に弱い！コンピューターに弱い！ NEWMUSICに弱い！ HITに弱い！
LOVEストーリーに弱い！ 不TOMEIな政治に弱い！
長所
1. 借金の返済期日以外は「USO」をついていない！
2. 世界中で日本の悪口が聞かれる時Tokyoの知事にROCK'N'ROLLERがなる事による
イメージチェンジ！
3. バンダナガバナーが中央政府と堂々とやり合える事！
4. 80%のジャスティス！
5. 人間を愛している！ これだけです！
「長所」の「借金の返済期日以外は「USO」をついていない！」と「80%のジャスティス！」
がすごいです。
この選挙の立候補の理由については、「ジョンとヨーコの影響がすごかったね」と祐也氏。しかし、オノ・ヨーコに立候補したことを伝えると、ただ一言だけ、「あら、バカね」だったそうです。これも素晴らしいエピソードです。
まだまだ書きたいことがあるのですが、いい加減長くなってしまったので今日はこのあたりで失礼します。続きはすぐに書きます。
