こんにちは。文化系税理士の佐藤です。
いやあ、またセブン・イレブンがやってくれました!
みなさん、もう飲まれましたか?
セブン&アイ、世界的ワイナリーのPBワイン ロバート・モンダヴィなど
(日本経済新聞、2019年3月28日)
セブン&アイ・ホールディングスは4月9日から、世界の有名ワイナリーと組んだプライベートブランド(PB)のワインを全国のセブンイレブンで発売する。米の「ロバート・モンダヴィ」などと組んだ。セブン&アイがPBのラベルにワイナリーの名前を入れた商品を出すのは初めてで、手ごろな価格で本格的な味わいが楽しめる点を訴求する。
グループのPB「セブンプレミアム」でワイン計5品を4月9日から順次、セブンイレブン全2万店超で売り出す。イトーヨーカドーやヨークベニマルなど傘下のスーパー約450店では25日から販売を始めた。
赤ワイン「セブンプレミアム ロバート・モンダヴィ ツインオークス カベルネ・ソーヴィニヨン」(750ミリリットル、950円)は甘味と酸味のバランスが取れたブドウのうま味を味わえる。白ワインも同時に売り出す。
ロバート・モンダヴィのほか「ベリンジャー」「ウルフ・ブラス」と組んだPBワインをそろえた。いずれも日本国内でPBワインを手掛けるのは初めてだという。
ロバート・モンダヴィの2本は赤と白の2種類。
結論からいうとウマいです! 飲んだことなければ、ぜひ1回飲んでみてください。
ロバート・モンダヴィ カベルネ・ソーヴィニヨン(税込 950円)
いや、言わんとすることはわかります。
「またセブン・アンド・アイが金にモノを言わせてつくったワインだろ?」
とか、「千円未満のプチプラワインに何言ってんの…」とか。でも、まあ、「ヨセミテ・ロード」「ヨセミテ金」に少しでも感心したのなら、ちょっと飲んでみてくださいよ。びっくりすると思いますよ。
わたしの近所のセブン・イレブン、比較的大きい店舗で、ワインコーナーも広めなんですけど、あっという間にこれのカベルネはなくなってしまいました。どうも同好の士がおられるようで、「ヨセミテ金」のときも同じ現象が起こりました。
ヨセミテ金もおいしく飲みましたが、これは明らかに一つ上のレベル。香りが複雑で奥深い。実は、まず鼻につくのはアルコール臭なのですが、不思議なことにこれがそれほど気にならない。というか、ツインオークスやフルーティの香りとブレンドされ、むしろその奥に惹かれていきます。舌で転がすと納得。最後までアルコールが消えないのは残念ですが、ひょっとして、これは長く熟成させると変わるとか?
あと、わたしは大体2~3日で1本空けるペースで飲むのですが、翌日、翌々日飲んでも十分おいしい。というか、少しまろやかになった感もありました。
言わずもがなですが、日を超えるときはバキュバンで。
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しかし、わたしが述べておきたいのはこれの白、シャルドネの方なんです!
これが素晴らしい……!
実はヨセミテ金のときも同じで、わたしは赤よりも白のほうがレベル高いのになあ、と思ってました。なので、普段あまりワインを飲まなかったり、おそらく若い頃に安ワインを飲んであまりいい印象を持っていない方に、恐る恐るヨセミテ金の白を持っていったのですが、どなたも感想は良好。しかも食中酒として満足していただきました。
そして、このロバート・モンダヴィ ツインオークス シャルドネは次元が違います。
初めの香りは極めて凡庸。むしろ香りは沈んでいて、複合的な香りの塊が予感できるくらい。このワイン、大丈夫? ーーそんな不安を抱きながら2~3回グラスを回すと、みずみずしくフレッシュな香りが立ちます。新鮮な驚きとともにそのまま口に含むと、きっとあなたはその色彩の豊かさ、華やかさに打ちのめされます。
決して甘さはないのにカラフルでバンドネオンが奏でられている夕方のカーニバル。ーーああそうか、白ワインにはこんな奥深い世界が広がっているのか。わたしが知っていた白の世界は申し訳ないくらい狭いものだったーーなんて、『神の雫』的なポエムを披露したくなるでしょう。
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ヨセミテ金と比べて、モンダヴィの赤が「レベル」が違うとするなら、この白、シャルドネは「次元」が違います。これ、本当においしいなあ。
ただ、残念なのは、これだけ香りが立っていると、料理とのマリアージュを考える必要があること。ヨセミテ金の白は、これと比べると没個性的なうまさだったので、比較的どんな料理にも合わせられましたが、モンダヴィ白はパートナーを選びますね。そこでソムリエ田崎真也が選んだのはシーフードグラタン。なるほど。
まず、明らかに生の魚介類はだめでしょうね。しかし、火を通したもの、そしてこの香りにはクリームは合いそうです。なるほどなるほど。ということは、ムニエルなんかも合いそうですね。味付けが塩な焼き魚は難しそうですが、火を通してあぶらっこい魚介に合いそう…なんて妄想が膨らみました。
さて、少々興奮気味にロバート・モンダヴィ ツインオークスの魅力を書きましたが、わたしが感心したのは、これ、長期的なセブン&アイの戦略だったんだろうな、ということです。
ヨセミテ・ロードがマツコの知らない世界で紹介され、一気にコンビニワインの知名度が高まりました。その意味で、あの回は重要(そういえば、あのときのプレゼンター、どなたでしょうか? 少し調べただけではわからなくて…)。しかし、あれはセブン&アイの戦略のに少しかすっただけでした。
そもそも、生産地をカリフォルニアとしている時点で目標は一流ワイン。「客が飲みたいっていうから、テキトーにやっとこー」では無いんです。テキトーにやるなら、南アフリカとかオーストラリアで作れば、もっと安価で無難なものがつくれたはずでしょう。
セブン&アイのワイン部門の目標は違います。
1976年の「パリスの審判」以来、アメリカ、カリフォルニアワインの素晴らしさは周知のものとなりました。そしてその生産者はロバート・モンダヴィ。
価格が硬化し、ときにその実力以上の値が付けられる旧大陸に比べ、新大陸、しかもアメリカのそれは、名実ともに50年後のスタンダードなる可能性がある。さすがの先見の明、というべきでしょうか。
ヨセミテ金は「限定生産」を謳っていましたが、このモンダヴィでは特に限定は言われていないので、長く楽しめるでしょう。買い占めとかしなくて大丈夫ですよ。
それにしても、今の若い人はいいなあ。
こんなワインが950円で飲めるんだから。ここでわたしが書いたことを、20年前の自分に教えてあげたい。そうすれば、酒ライフにとどまらず、人生が変わったはずです。
以上、若干興奮気味なワイン・エントリでした。
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