漂えど、沈まず。

文化系税理士 佐藤 龍 のブログです

Pepperの導入費用と耐用年数

おはようございます。文化系税理士の佐藤です。

先日の税務通信の記事の続きです。前回は肝心の内容に触れられませんでした。

 

 

 

今回目を引いたのは、「ロボットの耐用年数 3528号(10/22) 」という記事です。タイトル通り、減価償却資産としてのロボットの耐用年数について。ロボットは、果たして何年掛けて減価償却を行うのでしょうか?

この記事によると、まず「ロボット」を2つに分けて考える必要がある、とのこと。

というのも、従来は「ロボット」と言えば、製造業で使われるアームのような「産業用ロボット」のことでしたが、最近は人間とのコミュニケーションが可能な人工知能(AI)を搭載したロボットも一般的であるため、です。

……Pepperだ!

 

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Pepperのようなロボット、一般的に「コミュニケーションロボット」と呼ぶわけですが、これを事業用として個人事業主や法人が購入して減価償却する場合、果たして耐用年数はどうなるのか?

産業用ロボットについては話は簡単です。実務のいつも通りの手順。耐用年数省令別表第二の「機械及び装置」として判断。唯一注意すべき点は、適用すべき「業」の判断は、その設備を使用する法人の営む業種によって判定するのではなく、その設備の使用状況等から判定することでしょうか( 耐通1-4-2 )。

 

記事では、

例えば、食料品製造業者が社員食堂の厨房用設備を取得した場合、その使用状況等が通常の飲食店業用の設備と同様であれば、「飲食店業用設備」として耐用年数は8年となる。 

としています。

 

気になるPepperといえば、こちらはそもそも使用状況から考えるべきではないか。例えば、屋内で単に顧客とのコミュニケーションや販売促進等に使用する場合は、製造業のラインの一部である「機械及び装置」というよりも、「器具及び備品」に該当する。その場合は「5 看板及び広告器具」の「その他のもの」、「主として金属製のもの」に該当するので耐用年数は10年。「動く客寄せ看板」の場合は10年です。

では、もう少し業務に利用した場合、例えば、接客等で屋内を動き回ったり商品を運搬したりする場合はどうでしょう。この場合も同じく「器具及び備品」に該当し、分類不能の「11 前掲のもの以外のもの」のやはり「その他のもの」、「主として金属製のもの」に該当して耐用年数はこれまた「10年」となるそうです。

10年かあ。PCの耐用年数は4年。IT機器は技術の発達がめざましく、スマホタブレットだったら、同じ機種を4年以上使うなんてことはあまりないのではないでしょうか。 ましてやコミュニケーションロボット、AIは現在恐ろしい速度で開発が進んでいる分野でしょうから、10年というのは長すぎる気もしますね。

 

ちなみに、Pepperの購入価格は117万円超(税抜・導入3年間)。

 

ざっと税抜で、

198,000 円+(14,800 円+9,800 円)×36月 = 1,083,600 円 。

これの税込で、

1,083,600 円 × 108% = 1,170,288 円。

ただ、このうち月額19,800円+9,800円=27,600円(税抜)はメンテナンス・保険料なので、本体価格の198,000円は少額減価償却資産(または税抜経理してるなら一括償却資産)として費用計上できるかな、とも思います。

この3年間は、27,600 × 12 = 331,200円 も毎年の経費となりますね。

 

ちなみに、3年後もこのメンテナンス・保険料はかかります。

 

この場合、 メンテナンス料が19,800円を9,800円にするオプションがあって、月額27,600円(税抜)が月額 9,800円+9,800円=17,600円(税抜)に減らすことはできるようです。

耐用年数云々よりも、定期的なキャッシュ・アウトフローが気になりますね。しかしその分の費用対効果はありそうな気がします。わたしの近所に、お手頃ながらネタがよくて地域の人気店である回転寿司屋があるのですが、ここは週末ともなるとファミリーで行列。順番待ちで1時間、なんてことはしょっちゅうです。

このお店が、Pepperを導入しています。

これはアタリでしたね。こどもが大喜びで遊んでいます。列を作って遊ぶ順番待ちをしているのですが、小さい子などは順番争いで小競り合いして軽いケンカになるくらい。そのケンカをたしなめながらも、自分も遊んでみたい様子で大人もソワソワしてます。みなに愛されすぎて指が何本かもげちゃってるほどです。

費用対効果は十分。少なくとも、待ち時間の15分くらいは気が紛れるのではないでしょうか。 

以上、減価償却資産としてみた場合のコミニュケーションロボットについてでした。

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またね~!

 

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