漂えど、沈まず。

文化系税理士 佐藤 龍 のブログです

住宅ローン控除、5年延長にならず。(H31 税制改正(6))

まさか住宅ローン控除の延長は5年でなく3年にとどまるとは。

しかも、11年目以降の3年間は、控除額の計算が複雑になりそうです。

 

 

住宅ローン減税期間を3年延長へ 消費増税対策で
朝日新聞 2018年12月5日)

 来年10月の消費増税の対策として、政府・与党は、一定期間内に住宅を購入した場合、住宅ローン減税で所得税などの控除が受けられる期間を現行の10年間から13年間に延ばす方向で調整に入った。11年目以降は建物価格の2%分を控除できるようにする。今月中旬にまとめる与党税制改正大綱に盛り込む。

 いまは住宅の新築や増改築などをした場合、毎年末の住宅ローン残高の1%が所得税や住民税から控除される。控除額は一般的な住宅なら年最大40万円(長期優良住宅などは50万円)。2021年末までに住宅を取得した人が対象で、控除期間は原則10年間だ。

 対策案では、20年末までの間に住宅を購入した人に限り、控除期間を3年間延長する。この3年間の控除額は、建物価格の2%分の額と、ローン残高の1%を3年間還付した場合の額を比べ、いずれか少ない方にする。

 また、住宅の購入支援策としては、増税後に省エネや耐震、バリアフリーなど、優れた性能の住宅を購入した場合、購入額に応じて一定のポイントをつける「住宅エコポイント」を実施する。住宅購入者に対する補助金「すまい給付金」はいまの最大30万円から最大50万円へと引き上げ、対象も「年収510万円以下」から「775万円以下」まで広げることが決まっている。

 増税前後の住宅購入の駆け込みや反動減を抑える狙いだが、過剰な優遇との批判が出る可能性もある。(伊藤舞虹、明楽麻子)

 

10 年と15年の間を取って13年、といったところでしょうか。

 

一方で、こちらはなかなかまとまらないようです。

 

車の減税幅、1000億円超  業界、小幅と反発 「エコカー」縮小で
朝日新聞 2018年12月6日)

政府・与党が検討している自動車税の恒久減税に向け、総務・財務両省が燃費の良い「エコカー」の減税特例の廃止などで減税の財源を賄う案を与党幹部らに示していることが分かった。政府・与党はこれをもとに1千億円超の減税をめざすが、より大幅な減税を求める自動車業界は反発しており、与党の税制調査会でさらに調整を進める。
 両省の案では、一定の燃費基準を満たした車を買った場合に翌年度の自動車税軽自動車税を最大75%軽減する「グリーン化特例」を来年4月に廃止する。
 燃費がいい自動車を対象に、車検時に支払う自動車重量税を減免する「エコカー減税」も大幅に縮小。たとえば、現在、免税対象の車は新車の27%だが、対象をさらに電気自動車や燃料電池車と行った次世代自動車に絞り、免税対象を5%程度とする。
 だが、総額3300億円の減税を求めている業界団体や経済産業省は「減税の財源を車の利用者が負担するのはおかしい」と反発。減税規模も「小幅過ぎる」と主張している。自民税調幹部も「これではみんな納得できない。まだ決着はしない」と強調。来週に予定される与党税制改正大綱のとりまとめに向け、協議を続ける考えを示した。(伊藤舞虹、及川綾子)

 賦課課税なのでこれまではあまり気にしていませんでしたが、この調整はかなり難航しているようです。こちらの「落とし所」も注意しておきたいと思います。

 

政府税調の本音とウソ―課税最低限のまやかし

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「税」の舞台裏―政府税調と自民党税調 (入門新書―時事問題解説)

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