備忘です。
鷲田先生はたまにこういうドキッとするのをねじ込んでくるから油断できません。
これ、朝日の第一面ですよ。
根本的な新しさはひとつしかない。そしてそれはつねに同じ新しさである。すなわち死。
【朝日新聞】鷲田清一「折々のことば」(2017年1月19日)
市場では、かつてなかった新しいものへと人びとの欲望をかき立てることでしか生き延びられない。新しいものはしかし、より新しいものの出現とともに朽ちる。飽きられてしまう。となると、永遠に古びないものとしては、どうあがいても体験できない自己の死と、もう一つ、絶対に共有できない他人の体験しかなくなる。批評家の遺稿「セントラルパーク」(久保哲司訳)から。(鷲田清一)
恥ずかしながら、ベンヤミンは大学に入ってから知った思想家です。
内容というより、そのスタイルに憧れてしばらく読み漁った時期がありましたが、体系化されていない思想内容についていけず、離れていきました。
しかし、この年齢になると、この思想家の言葉が身近に感じられるように。
本は、いつ読むかで語りかけてくることが変わります。
それこそが読書の醍醐味で……そうじゃないと読書なんておもしろくありませんよ。