漂えど、沈まず。

文化系税理士 佐藤 龍 のブログです

『オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より』、岡田斗司夫 FREEex、幻冬舎新書、2012年

備忘録。

最近、岡田斗司夫さんにハマっています。

 

 

岡田さんは、悩みのるつぼの回答にあたり、次の思考ツールを使っていたとか。

 

1 分析

2 仕分け

3 潜行

4 アナロジー

5 メーター

6 ピラミッド

7 四分類

8 三価値

9 思考フレームの拡大

10 共感と立場

11 フォーカス

 

これ、よくわかります。

岡田さんは、この思考ツールを「これらは本で読んだとか習ったものではなく、『考えているうちに自分で見つけた思考パターン』みたいなものです」と述べていて、わたしも同じような感じでものを考えています。

 

ただ、7の「四分類」は、わたしは「マトリックス」と呼んでいますね。世間的にもそちらのほうが一般的ではないでしょうか。

 

おもしろかったのは8の「三価値」。

岡田さんは、マイケル・サンデルの正義の考え方を参考にして、あるテーマを考える際に3つの価値観から考えることがあるとか。

 

つまり、

1 「最大多数の最大幸福」 功利主義的な考え方。

2 「自由と権利」 個人の自由や権利を最大限に重視する考え方。

3 「美徳の追求」 社会の構成員(大人)が自分の損得を超えた良識で「理想社会や理想の市民はこうあるべき」を目指すべき、という考え方。

という3つの立場です。

 

なんといっても、この3つ目の価値観を導入するところがおもしろい。

 紀元前のギリシアでは、市民は生涯の目的を「人間性の完成」と定義していました。

 ギリシア市民に限らず、古代中国にもあった発送法や人間観ですが、なぜか僕たち現代日本人の発想にまったくない視点です。

 人生の目的とは何か。自由や成功よりも、節制や人格を重んじる。人間として完成する。

 20世紀後半から21世紀の日本に生きてる僕たちには、あまりに馴染まない考え方です。

 昔の日本人、サムライたちならひょっとして持っていたかもしれない。でも明治~大正~昭和~平成という時代の変化で失ってしまった。

議論にこの3つ目の観点を導入することにより、それぞれの共同体ごと、時代ごとの違いが生じるのは当然のこととなります。なので、簡単に答えが出ない問題は、その都度その共同体のメンバーで議論すればよい。

 

少しスッキリしました。

 

以下、備忘メモ。

 

愛とは「根拠のない信頼」のこと。

恋とは「理由のない信仰」のこと。

 

問題解決力 = 論理力 + 解答力 + 実行力

問題解決力 = ①論理力 × ②人望 × ③金 × ④コネ × ⑤運