漂えど、沈まず。

文化系税理士 佐藤 龍 のブログです

2021年度(令和3年度)税制改正大綱は、「緊張感なき税制改正」である、まさしく。

遅ればせながら、2021年度(令和3年度)税制改正大綱について、朝日新聞の記事、「経済気象台」から。

同じ感想をもたれた方、多いのではないでしょうか。

うん、たしかに小粒な改正でした。

 

(経済気象台)緊張感なき税制改正

朝日新聞、2021年1月5日)

毎年恒例の与党税制改正大綱が昨年末に示された。日本は未曽有の国債残高を抱え、しかも、いわゆる「ワニの口」(歳出と税収の差)も裂けそうになっているのに、何とものんびりした小粒の改正との印象がぬぐえない。一体、日本をどういう社会にしていきたいのだろう。
 国際的徴収回避行為への対応など、見るべきものもないわけではないが、DX投資促進税制のように従来型の負担軽減策が大半だ。

 さらに、海外資産の相続税免除、投資ファンドマネジャーの所得課税優遇、IR(カジノを含む統合型リゾート)税制の導入もうたわれていた。

 日本はもはや、海外の人材に頼らなければやっていけなくなっているかのような錯覚を覚える。

 とりわけ驚かされたのがIR税制だった。

(1)カジノ所得については、非居住者は非課税、居住者は公営ギャンブル同様に課税

(2)消費税では、カジノの売り上げを「不課税」とした上で仕入れ税額を調整

(3)法人税の課税では、割引クーポンの提供などは広告宣伝費と扱う、といった内容だ。カジノ誘致のために、まさに至れり尽くせりである。

 IRをめぐっては、国会議員が収賄罪に問われ、関係者の有罪判決も出た。国民の批判も強まっているのに、それでもやりたいようだ。政府は最大3地域を選び、20年代後半の開業をめざすという。

 これまでは企業を優遇する税制で経済成長をもくろんできた。だが、企業の内部留保は膨らんだものの、一向に経済が回復しない。そこで今度は海外の富裕層に目を向けようということか。

 税制改正大綱を読み、日本の未来に不安を感じたのは私だけだろうか。(比叡)

 

えーと、まず、「IR税制」で「?」となった方のために。

2021年度税制改正大綱の「IR税制」って、証券関係の「IR」(Investor Relations:インベスター・リレーションズ、投資家向け情報提供)とは、何の関係もありませんよ!
「IR税制」って、「Integrated Resort」(統合型リゾート)関係のことで、ぶっちゃけカジノ税制のことです。

 

 関連本はごろごろあります。

 

 

まあ、近年の改正(そして実施はまさにいまの令和2年の確定申告)が「基礎控除をいじる!」なんて根本的な改正だったため、少し穏便に、表面的なレベルに収まったのでしょう。あくまで今後の方向を示した、くらいで。

以上、備忘として引いておきます。