漂えど、沈まず。

文化系税理士 佐藤 龍 のブログです

(大阪府摂津市)住民税1,500万円 過大還付

こういうの、都市伝説だと思ってましたよ。

大学受験でも、白紙で答案を提出したのに合格したとか。

 

 

住民税1500万円を過大還付 男性「既に使った」 
朝日新聞 2020年5月27日13時18分)
 大阪府摂津市は26日、市民の男性に対し、本来の額より約1500万円多く住民税を還付していたと発表した。事務的なミスという。市は返還を求めているが、男性側は「還付金は既に使っていて返還できない」と説明しているという。

市によると、2018年4月、市の担当者が男性の住民税額を決めるため「株式等譲渡所得割額控除額」を端末に入力する際、正しい額は約166万円だったのに、誤って約1668万円と入力。その結果、同年7月に男性の口座に本来の額より1502万円多く還付した。複数の職員で確認していたがミスに気づかなかったという。市民税課は「点検ポイントについて課内研修をするなど再発防止に努めたい」と話している。

 

人のやることなので間違いはある。

この還付金の振り込みがあったのは20187月、

男性は、市がやることなので間違いないと思っており、1年後の市からの還付金の返納請求に頭が真っ白になったそうです。

摂津市側は返還を求めていますが、男性の代理人弁護士は、返納請求を受けた時点で使い切っていたので返還義務はない、と主張しているそうです。

 

 

いや、これはどうなんでしょう。

市に返納するのが当然ですが、今回の場合、この返納請求が1年後、というのが遅すぎますね。それまでに組織の中でチェック機能が働かなかったのでしょうか?

 

この事件については、弁護士の先生が簡単にまとめられています。

 

 

現存利益が争点になりそうですが、その金額の算定には、返納請求が1年後だったことが大きく影響しそうです。

 

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