これまで生きてきて、KISSは聞いたことありませんし、興味もありませんでした。
このバンドについて知ってることといえば、聖飢魔IIの元ネタということ、ビジュアルはあんなんでも演奏技術はしっかりしているハードロック・バンドで、だからこそいつまでも根強い営業ができている、くらいでしょうか。
「白人」「ロック」「8ビート」は苦手ジャンルなんです。
でも、これをみて、その印象が少し変わりました。
KISSというバンドではなく、そのベーシスト、ジーン・シモンズのドキュメンタリーでしたがこれはおもしろかった。
音楽的な下積み、というよりも人生レベルでの過酷な経験から、短い言葉で語られる人生訓。
わたしは「人生訓」として聞きましたが、それはビジネスの成功訓としても通用するでしょう。
これについてはたくさんの人が書いてるでしょうから、特にわたしが書くまでもないでしょう。*1
個人的には、東京のフレンチ店を訪れて、
「明日すぐに商標権を申請しろ! しないなら俺がするぞ!」
というところが素晴らしかった。
この言葉、ビジネスマン、おせっかいな人情家、一日一日を前向きに生きる人としてのジーン・シモンズを象徴する一言です。
……音楽家、ベーシストとしての魅力が伝わってこないのが残念ですが。
これを機に、KISSを聴いてみようと思いました……というのがクリシェですが、ごめんなさい、やっぱり苦手ジャンルなのでそういう気にはなれませんでした。
でも、街中でKISSの音楽が聞こえてきた時は、少し耳を傾けてみようと思うかもしれません(それがKISSの音楽とわかれば、ですが)。
あ、もうここからは蛇足ですが、いまの世界ツアーでKISSは解散予定。
で、そうなると一時的に世界的なブレイクが予想されますが……たぶんQUEENほどは盛り上がらないんじゃないかな、と。
『ボヘミアン・ラプソディ』は映画だから盛り上がるようにつくらている、というのもありますが、大きいのは音楽的なポテンシャル。
QUEENは射程ジャンルも幅広いし、各曲の深みもすごい。
それに比べると、KISSはよくも悪くも「ハードロック」なんですよね。
訴求する層も広くないような。
でも、グッズ展開とかはジーン・シモンズの方が上手かも。
来年~あたり、KISSグッズが近所のコンビニやKIOSKで売られているかもしれません。
*1:と思ったら、この番組に特化したものはすぐに見当たりませんでした