漂えど、沈まず。

文化系税理士 佐藤 龍 のブログです

【朝日新聞・経済気象台】売り上げ蒸発を即救済せよ (4/15)

目新しいことは書かれてませんが、「売り上げ蒸発」という言葉がキャッチーだったので引いておきます。

 

 

朝日新聞・経済気象台】売り上げ蒸発を即救済せよ

(2020年4月15日)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策が7日に閣議決定され、見せかけの事業規模の大きさや、給付金の条件の複雑さが物議を醸した。

 対策を、感染拡大を抑制する「緊急支援フェーズ」と、景気対策に軸足を置く「V字回復フェーズ」に分け、前者から優先させるやり方は正しい。感染拡大を収束させるには人の移動を制限せざるを得ず、景気対策はそれに背反するからだ。
 感染拡大が収束に向かうまでは、企業が破綻しないように資金繰りを助け、個人事業主フリーランスが破産しないように所得を補償し、セーフティネットで踏ん張るしかない。それがなければ、人々は感染リスクにさらされながら、生きるために経済活動を続けなければならない。
 セーフティネットに金を惜しむべきではない。感染抑制の間に蒸発する売り上げは、企業や個人の努力ではどうすることもできない。今は政府債務の膨張を覚悟すべきだ。倒産や失業が激増すれば、その後の政府支出は莫大な金額になる。問題の収束までにどの程度売り上げが蒸発するかを試算し、それをカバーするだけの十分な補正予算を早急に組むべきだ。
 総務省が3月末に公表した「2019年経済構造実態調査」を見ると、「小売業」だけで1カ月の売り上げは13兆円、「宿泊業・飲食サービス業」も加えると15兆円だ。中国・武漢の封鎖機関と同じ2カ月半も蒸発すれば37.5兆円だ。
 財務省の法人企業統計では、企業の「現金・預金」で「売上原価」や「販売管理費」を賄えるのは1.8カ月。企業の資金繰りは時間との勝負に入っている。政府はもっと危機感を持つべきだ。 (顕伸)