東京への旅、3回目です。
いやあ、それにしても密度の濃い2日間でした。
翌日の18日は、朝のうちに祖母の家を出て、文化の街、神田、御茶ノ水へ。
最寄り駅までは公営のバスを使う必要があり、出発の時間まで少し時間が会ったので、沿線をぶらぶらと歩きます。
わたしが育った町は、埼玉県の東武東上線沿線の「都内まで1時間圏内」の町。40年前くらいから、人口増加に伴って続々とつくられた、公営団地が密集する地域です。わたしは20年前に大学入学とともにこの地を離れましたが、ちょうどその頃からじわじわと人口が少なくなりつつある噂を聞きました。
なんでも、建物の老朽化も進み、公営団地で資金をためた家族は家を買うために引っ越し、代わりに安い家賃に目をつけた外国人労働者などが移転してくるとか。そして、時が経つにつれ、その外国人も姿を消し、いまやこの団地群は空室が目立つ様になっているとのことです。
その噂は本当でした。
わたしが住んでいた当時は、この団地群は子育て世代が多く、太陽が出ている時間帯は小さい自転車に乗った子どもたちがそこらを走り回っていました。
それが、平日の朝9時台なのに、出歩いている人は誰もいません。団地のベランダに出て、洗濯物を干したり、幼稚園や保育園に送るような家族もなし。
ああ、本当に人がいないんだな。
淋しいことですが、このときが今回の旅で故郷の変化を強く実感したときでした。その後、バスに乗って「WW」こと「ワカバウォーク」まで向かっているときもその状況は変わりません。さすがに駅前は人が集まっていましたが、東上線沿線のベッドタウンとしての勇名を馳せていた頃と比べようもありません。
いや、これは「Thinga ain't what used to be」ーー「昔はよかったね」的な、わたしの思い込みかもしれません。朝の9時台なんて、そもそも当時は出歩いたことなんてないはずだし。
ただ、地方のニュータウンのこのような状況はよく耳にします。高度成長期の郊外に生まれたニュータウンは、近所付き合いが少なく、地域の縁も薄い。住みづらくなったら、自分たちの力でなんとかしようと思うよりもその場を離れていく人々ばかりです。わたしもそのうちの一人なので何も言う資格はありません。
それが時代の趨勢だ、と言ってしまえばそれまでです。しかし、この時代に生きる一人の人間としては自分の身近な人々が苦しまないように、そして税理士、F.A.S.T.エクスペリエンス代表者としては、このような時代の流れにおいてもFAST分野で苦しむ人々が少なくなるように、なにかできることはないだろうか。学士会館までの1時間、バスと電車に揺られながら、そんな事を考えていました。
このままだとしんみりして終わってしまうので、ひとつ、おもしろい偶然の一致について。
埼玉県坂戸市若葉。
こう聞くと、みなさんはどんなことを連想されるでしょうか?
大半の方にとっては思い浮かぶものは何もない場所でしょうが、地元の人間にとっては「明治製菓工場がある町」なんです。それは、わたしの勤務する島本町が小野薬品、サントリー、積水化学、日立、トッパンの研究所・蒸留所・工場がある町、というようなイメージです。
うわ、懐かしいなあ、この風景。
うんうん、原付きで爆走しましたよ、このあたり。工場の敷地が広いので、この周辺の道路は地平線が見えるのではないか、というくらい直線が続くんです。
で、わたしの住む高槻といえば、これもチョコレート工場が有名。
なにしろ、男にとっての中島みゆき、槇原敬之さんの「No.1」の歌詞にも出てくるほど。
子供の頃の写真を 君に見せたとき
あたりまえだけど
自分がいないから くやしいといったね
夕暮れ僕の街には
チョコレイト工場のにおいがする
いつかおいで
あの河原に自転車で つれて行くよ
SMILING?THE BEST OF NORIYUKI MAKIHARA
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なんだかんだいって、このベストは今でも聴いてます。マッキーのベスト盤ってたくさん出てますけど、1枚だけ選ぶとすると、この1枚めのベスト盤がベスト・オブ・ベストなんじゃないでしょうか。
そうそう、このチョコレートのオブジェが有名ですよね。
JRに乗ると、車内からよく見えますし(高槻 → 大阪なら右手側です)。
これは不思議な偶然の一致でした。
そういえば、坂戸・若葉の明治製菓工場では、大きく「カールおじさん」のカールの看板があったのですが、関東ではカールの販売は終わってしまいました。
そうか、関西から関東に行くときは、カールを持っていって、今日の記事のようなことをしゃべると話のマクラとしては面白いかも・・・なんてことを考えてしまいました(笑)。
坂戸については、これからも書く機会があると思います。
さて、まだ神田に行けてません。学士会館については次回に。